神前結婚式場の前面には、神殿がしつらえられています。神殿には、御神体が置かれ、御神酒(おみき)、神饌(しんせん)、お祓いの用具、御神酒を注ぐ銚子や盃が供えられます。また、玉串を供える玉串案が置かれています。
●御神体
神体とは、神霊を象徴する神聖な物体のこと。礼拝の対象となり、古来より、鏡、剣、玉、鉾などが用いられました。鏡、剣、玉といえば、天皇が即位する時に引き継ぐ”三種の神器“が有名です。八咫鏡(やたのかがみ)は、天岩戸(あまいわと)に隠れられた天照大神(あまてらすおおみかみ)を岩屋から出すときに使われたものです。今では、鏡はすべてのものを照らし、善悪の姿を映すものとして、正直な心の本源と意義づけられています。天叢雲剣剣(あめのむらくもの)は、須佐之男命(すさのおのみこと)が出雲で八岐大蛇を退治したときに得たもので、強い意志と決断力、総じて知恵のことを表しています。八坂瓊曲玉(やさかにのまがたま)は、丸くやさしい形をしていることから、慈悲の心を意味すると解釈されています。ユウベルグループの神前式場には、この三種の神器である鏡、剣、玉を安置しています。
●御神酒
酒の尊敬語で、神にお供えする酒のこと。食べ物は天地の神から授かったものという考えがあり、その中でも米は、天照大神から授けられたものといわれ、日本人は米に対して、特別な感情を持ってきました。酒は、そのお米からできたものであり、古くから神をまつるに不可欠のものでした。
御神酒は、瓶子(蓋つきの白い陶器)に入れ、左右一対用意します。
●神饌
神に供える飲食の総称。神饌には、生饌(調理しない生のままのもの)と熟饌(調理したもの)の二つがありますが、現在は特別な場合を除いて生饌が用いられています。三方(折敷の下に台のついたもので、台の三方に穴が開いていることから三方という)に、米、魚、野菜、果物などをのせて供えます。
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